【広告主必見】リスティング広告とは?出稿時の重要ポイントも解説

広告・集客

リスティング広告とは、GoogleやYahoo!を中心とする検索エンジン上にユーザーが検索したキーワードに連動して掲載される広告のことです。自社商材に関連する検索を行っているユーザーに、検索を行っている(≒モチベーションが高まったタイミング)で広告を表示することができます。他の広告と比較して顧客獲得や売上に繋がりやすく費用対効果が高くなりやすい点が特徴です。また出稿予算やキーワードは自由に設定でき、少額からピンポイントな集客を行える点も大きなポイントです。

この記事では、そんなリスティング広告でできることや特徴、広告主の方が出稿時に考えるべき点まで踏み込んで解説していきます。


目次

リスティング広告とは

リスティング広告の掲載場所


Google、Yahoo!などの検索エンジンの検索結果ページが主な掲載場所となります。広告枠はオーガニック(非広告枠)よりも上になり、ユーザーの目に止まりやすい場所に広告を表示させることが可能です。
※下記の枠線内がりスティング広告の広告枠です。

※2021年4月時点のGoogle検索の掲載結果。


出稿するキーワードは広告主が任意に選択できます。例えば、メンズTシャツ専門のECサイトが広告を出稿する場合、「Tシャツ 通販」「メンズ Tシャツ」などの検索結果には広告を掲載し、「レディース Tシャツ」の検索結果には広告を掲載しない等の柔軟なコントロールが可能です。

料金、課金体系


最低出稿額なし
通常の広告商品には最低の掲載料金が設定されている事がほとんどです。しかしリスティング広告は広告媒体側で最低の掲載料金を設定していません。月額数万円などの少額から出稿も可能で、自社の広告予算規模に合わせてピンポイントなターゲット層にアプローチができます。
※広告出稿を代理店に依頼する場合、代理店側で取扱の最低額が決まっているケースがあります。

自社サイトへの流入が課金ポイント
リスティング広告は広告がクリックされた時のみ課金されます。つまり自社サイトに来訪されない限り、お金が一切発生しません。通常の広告商品では掲載自体に費用が発生することが一般的ですので、それらと比較すると効果に繋がりやすい事が仕組みであることが理解できると思います。リスティング広告は費用対効果が高くなりやすいとお伝えしましたが、この課金形式も要因の一つになります。

入札方式について


オークション制
任意のキーワードに対して広告を掲載できますが、広告枠の数は限られますので必ず広告が掲載できるとは限りません。掲載可否はオークション形式で決まります。具体的にはあらかじめ各キーワードに対する上限のクリック単価を設定し入札、他の広告主の上限クリック単価とオークションにかけられ掲載可否や掲載順位が決定する形です。

また上限クリック単価はいつでも管理画面から変更でき、掲載状況や効果を見ながら調整することができます。
※厳密にはここ数年で機械学習の精度が向上し、入札単価の調整も自動化が主流になってきています。管理画面上で目標の獲得単価などを設定し、媒体側でそこに合わせて自動調整がかかる様なイメージです。

入札価格の高低だけでオークションの勝敗や掲載順位は決まらない
ただしリスティング広告では単純に高い入札をした広告主がオークションに勝利する仕組みではありません。実際の掲載可否や掲載順位は、「上限のクリック単価 × 広告の品質」 によって決定されます。広告の品質ってなに?と思う方も多いと思います。広告の品質は、広告のクリック率、キーワードと広告の関連性、遷移先ページのコンテンツ等に基づきGoogleやYahoo!が評価を行っています。

つまり上限クリック単価が競合と比べて低くても、ユーザーニーズにマッチする高い品質の広告出稿を行っていれば上位掲載を狙うことも可能になります。この点はリスティング広告の大きな特徴の一つで、非常に公平性の高い仕組みであると筆者は考えています。

リスティング広告のメリット、デメリット


そんなリスティング広告ですが、メリットとデメリットのどちらも存在します。

メリット

  • 少額から始められる
  • 確度の高い見込み顧客にピンポイントでアプローチできる
  • 検索行動を行うユーザーは利用意向が高いケースが多く、短期間で効果が出やすい

デメリット

  • 運用にはある程度の知識が必要 ※自社運用の場合
  • キーワードの変更や入札単価の調整が柔軟にできる分、手間と時間はかかりやすい
  • コストが掛かる ※広告費に加えて運用を行う人件費や代理店に依頼する場合は運用代行費など

リスティング広告の出稿は広告代理店や媒体社に依頼をせず自社内で行うことも可能です。その場合、自社で各媒体の管理画面内でキーワードの選定や広告文の作成、入札単価の調整などを行う必要がありある程度の知識が必要です。自社内でどうしても知識をつける余裕がない場合は広告代理店への依頼をオススメします。
※ただし前述の通り、代理店に運用代行を依頼する場合は最低出稿額が設定されていることが一般的です。

媒体別の特徴


媒体別のユーザー層の違い
リスティング広告の主な出稿場所は主にGoogle、Yahoo!の検索結果です。任意のキーワードで広告掲載できる点は同じですが、媒体毎にユーザー層が異なる点は捉えておくと良いでしょう。あくまで一般論ですが、Google利用者の方がITリテラシーや情報感度が高い、ユーザーの年齢層がYahooと比較すると若いケースが多いです。
※各媒体ユーザー層を広げる活動は常に行ってますので、閲覧時点では状況が変わっている可能性もあります。

基本的には両媒体に掲載し効果の良い方に配信を寄せることをオススメしますが、どうしても媒体を選ぶ必要がある場合は自社と各検索エンジンのユーザー層のマッチ度を加味して媒体選定を行いましょう。

機能面の違い
Google,Yahoo!ともにできることは基本的に変わりませんが、機能面では基本的にGoogleの方が優れていると筆者は考えています。具体的な理由は下記です。

  • 先進的な機能実装が早く行われる
  • 管理画面が使いやすい

Yahoo!のリスティング広告は日本国内独自で運営されており、グローバル規模で開発や運営が行われているGoogleと比較するとどうしても機能や使い勝手の差は付いてしまいますので、ライトに開始したい場合はGoogleから機能面からGoogleのみで開始する形もオススメです。

リスティング広告の出稿時に広告主が考えるべきこと

そんな特徴的なリスティング広告ですが、事業やサービスの課題、フェーズによってはやるべきではないケースも存在します。適切でない広告出稿はお金だけでなく貴重な時間も無駄にすることになります。ここからは、広告主の方がリスティング広告時に考えるべき点について少し踏み込んでお話していきます。

自社の課題、広告に求めるものを整理する


まずは自社の課題、広告に求めるものを整理しましょう。
考えるべきポイントは大きく分けて2点です。

1.事業成長のために、集客がいま最も有効な打ち手なのかを考える
リスティング広告出稿も含めてマーケティング活動の最終ゴールはどんな会社であっても事業の成長かと思います。例えば事業成長 = 売上アップとした場合、集客以外に売上を上げる術がないケースは稀です。

下記はBtoB企業の一般的な売上の獲得や最大化までのプロセスですが、リスティング広告はあくまでマーケティング機能の中の集客の手段の一つでしかありません。


最終ゴールである売上の最大化までには、当然マーケティング以降の各部門の活動状況も連動し影響してきます。もしあなたの会社でアポイントの獲得率や受注率が著しく低いなど、集客以降の工程で問題がある場合はいくら見込み顧客を獲得しても売上に繋がりにくく広告出稿で高い費用対効果を出すことは難しいでしょう。その場合、まずマーケティング以降の各部門の指標をある程度改善させてから集客を行っていくことをオススメします。

事業運営においては常に有限なリソース(人員、お金など)を何に使うべきか選択の連続です。貴重なリソースを無駄にしないためにも、そもそも集客がいま最も注力すべきものかは冷静に見極めることをオススメします。

2.集客の手段としてリスティング広告が最適な方法か
事業成長の手段として集客が最適であると整理できた後には、リスティング広告が最適な手段であるかの見極めが必要です。商材やサービスによって市場カテゴリ自体や自社ブランドの認知度はまちまちです。例えば市場カテゴリ自体の新規性が高く一般的な認知度が低い商材の場合、認知が得られていないことでそもそも検索されないということも起こります。また競合のブランドと認知度に極端に開いている場合、同じキーワードで掲載しても顧客を競合に取られてしまうなども考えられます。

下記は一例ですが、BtoB企業の見込み顧客獲得時のフェーズ別施策マップです。
自社のカテゴリやブランドのフェーズに合わせて、マーケティングや集客としてやるべき打ち手は適切に判断しましょう。


リスティング広告出稿のための戦略を立てる


集客やマーケティング関連の施策が整理ができ、リスティング広告の出稿を決めた場合は戦略立案が必要です。ここでは代理店に出稿を依頼する場合でも、出稿主として実施すべき戦略立案についてご紹介します。

1.バリュープロポジションの整理
バリュープロポジションとは、端的に表現すると「顧客があなたの製品を買う理由」のことです。顧客、競合、自社の3軸で整理し、言語化していきます。



マーケティング施策を行う上で競合との差別化や顧客目線を意識する重要性がよく語られますが、競合との差別化ポイントに設定したものに顧客ニーズがなかった、顧客目線でコミュニケーションを取っているが他社と言っていることが変わらない、というケースもよく目にするのが実態です。そのため、顧客や競合の状況を踏まえつつ、自社ならではの提供価値(買う理由)に落とし込むことが大切です。
これを整理する方法として、我々はバリュープロポジションを用いた分析をオススメしています。

一般的にWebサイトを訪れたユーザーは、そのWebサイトが自分にとって必要かどうかを3秒で判断すると言われています。つまり広告文や遷移先のページなどで興味を持ってもらうために伝えられる情報はわずかです。端的に自社の提供価値を訴求するには何を伝えるべきかをフラットに整理する上で、バリュープロポジションの考え方は役に立つのではないでしょうか。

2.訴求軸の整理
バリュープロポジションが整理できたら、その中で何を訴求するかを整理しましょう。リスティング広告の特徴として、広告文や遷移先のページを簡単に変更しABテストが行える点が挙げられます。顧客が買う理由をバリュープロポジションで大枠まで整理したら、細かい表現や伝え方はテストをしながら実際の効果を確認していけばOKです。

ただテストが簡単な分、明確な目的が無いまま施策を行いなぜ良かったのか(もしくはなぜ悪かったのか)がわからないケースもよく目にします。効果が出た(ないしは出なかった)理由がわからないと、次の打ち手も闇雲な模索になり効果を改善し続ける事ができません。そのため、ユニスタでは出稿前に下記のような形で訴求軸をあらかじめ整理し、優先度を付けながらABテストを行っています。

記載内容は例ですが、この様に大枠で訴求する項目をカテゴライズし、カテゴリの中でバリュープロポジションに即して言えることを一覧化してからABテストを行う形です。これにより検証項目の優先度付け、施策目的の明確化、どちらの効果が出たのか等の振返りが整理しやすくなりオススメです。また広告運用を代理店に依頼する場合、このプロセスは代理店とともに客観的な意見ももらいながら実施もオススメです。


3.KPIの設定
次に広告出稿におけるKPIを設定しましょう。リスティング広告上の基本的なKPIは見込み顧客、ないし顧客の獲得単価になりますが、ここでは獲得単価をどう設定するかをお伝えします。
ポイントは2つです。

収益性を踏まえる
見込み顧客を広告で獲得できても赤字になっては意味がありません。集客後、収益発生までのプロセスにおける自社内の各指標を踏まえ目標は設定しましょう。

再掲ですが、BtoBビジネスの場合の一般的な見込み顧客の獲得から収益発生までのプロセスは下記になります。

これら指標の状況を踏まえ、例えば現状の見込み顧客の獲得からの受注率や平均の売上単価、目指したい収益率などを踏まえて目標の見込み顧客の獲得単価を設定しましょう。

ちなみに、リスティングを中心としたWeb広告でよく使われる獲得単価以外の指標は下記となります。もし知らない指標や考え方があれば調査の上取り入れていただけれると幸いです。

  • ROI:投資収益率。計算式は(売上ー売上原価ー投資額)÷ 投資額×100(%)
  • ROAS:広告費用の回収率。計算式は広告からの売上÷広告費(コスト)×100(%)
  • LTV:ある顧客の取引開始から終了までの期間の収益の総額を算出するための指標。計算式はビジネスモデルにより異なる。

市場の相場観を織り込む
目標の獲得単価や受注単価を設定する際、出稿を狙うキーワードの平均クリック単価や可能であれば競合の目標獲得単価などを調べましょう。もし目標の獲得単価に対してクリック単価が高すぎる、競合と比べて獲得単価の目標が安すぎる等の場合は要注意です。


収益率の目標を過剰に高く設定していない場合、受注率や平均の売上単価が低いなど集客以降の工程で改善が必要なケースが考えられます。目標を高めに設定すること自体は悪いことではないですが、一方で高すぎる目標は達成困難で継続できないため、筆者はあまりオススメしていません。

4.サイトの最適化
また集客効果を最大限高める上ではウェブサイトなどが新規ユーザー向けに最適化されていることも必要です。せっかく広告を出稿しても受け皿になるページが見込み顧客にとって魅力的でなければ離脱を招いてしまう可能性が高いです。そのため、広告出稿を行っている同業種や競合のサイトと比較し広告の遷移先となるページやウェブサイトが新規来訪者に最適な状態になっているかを確認しましょう。

ユニスタについて

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ユニスタ株式会社

ユニスタ株式会社

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